

「おおはし」の玄関は、一見なにげない和食店風。しかし、お店に入れば、焼き魚や煮魚のいい匂いが立ち込めています。
ご主人の大橋 昭夫さんにインタビューを始めたところ、さっそく出てきたのが、ドーンとボリューム満点の「松定食」。
「この刺身も、焼き魚も、サザエの壷焼きも? えっ、蟹まで付いてるんですか!?」
筆者とカメラマンは、その圧倒的なスケールに口をあんぐりするばかり。
「柏崎は、なんと言っても魚が美味い町ですからね。せっかく食べていただくなら、お腹いっぱい楽しんでもらいたいんです。特に、鯛は柏崎の名物ですから、オススメですよ」
なるほど、大橋さんの言葉通りプリプリッとした小ぶりの真鯛は、白身がとっても新鮮!
地元の常連さんはもとより、東京方面からの出張ビジネスマンにも人気で、お昼時には入れ替わり立ち代りの大盛況なのです。

大橋さんは、昭和14年(1939)の柏崎市生まれ。地元料理店の次男坊でしたが、料理人になるつもりではなかったそうです。しかし、若い頃は実家をよく手伝っていました。
大学4年生の時、東京から帰省中に父親が49歳で急逝し、大橋さんは母親を手伝うために一時休学することになりました。
「始めは麺類や丼物を手伝っていたのですが、魚料理もやるようになって、弟と一時的にバトンタッチして東京へとんぼ返り。大学の単位を全部取って、卒業してから帰って来ました」
しかし、その後は心臓病やリウマチなどに悩まされながらの商売。何度挫折しかかったか分からないと、大橋さんは昔を振り返ります。それでも、お客さんの喜んでくれる顔を見ると、なかなか辞めるわけにはいかなかったと語ります。
そんな大橋さんの優しさは、「おおはし」の味にしっかりと現れています。
料理はすべて注文されてから調理し、温かいものは温かいまま、鮮度のあるものは新鮮な状態でお客様の前に出されるのです。厨房には、板場を支える弟さんの姿が見えます。
壁には図鑑のように魚の写真がズラリと並び、これを見るのも、料理が出るまでのご一興! 越の誉の銘酒を飲みながら待てば、さぞかし美味しい肴となることでしょう。
JR柏崎駅前すぐの「食事処 おおはし」をお見逃しなく! 皆様のお越しをお待ちしています。