

店主の目で吟味し、「こいつは、上物だ!」と実感できる鰻しか仕入れない。
そんなこだわりが味に生かされ、地元はもちろん、東京からのスキー客なども口コミで立ち寄るケースが多いのが、「活けうなぎ専門店うな吉」です。
雑誌社からの取材申し込みも「気が散るから、結構!」と拒否しているそうですが、今回は萬屋醸造店 中込社長からのたっての願いで、実現しました。
さて、うな吉の魅力は、何といっても活きた鰻を目の前でさばいて、焼いてくれることでしょう。
そのため、少々時間がかかりますが、先代店主には、こんなエピソードまで残っているくらいです。
ある日、初めての客が焦れて、「まだかよぉ!」と文句をいったところ、職人肌の先代は元気に動く鰻をそのまま客の前に出し、「そんなに早く食いたいなら、これでもどうぞ」とやったそうです。
息子である現店主も、かなりその血を受け継いでいると見ましたが、「今はそんな時代じゃありませんよ」と笑います。
そんな談話に耽っていれば、いつしか香ばしい匂いに包まれ、食欲は大いにそそられてくるのです。
そして、決め手となるタレの味も、季節ごとに成分を微妙に変えているそうな。
ともあれ、近くまで来たら、一度は立ち寄ってみたい店。極上のふっくらとした鰻の身には、しっかりと旨味のある「春鶯囀」が絶品です。