TOP > 蔵元紀行 > 北の誉酒造 > 蔵主紹介

会員サイト

入会特典

・「いい酒のめーる」の購読
・利き酒会やイベントへのご案内
・検定やサイト機能の利用
・マナベル度の獲得

会員登録

すでに会員の方はこちら

ログイン

蔵元紀行

北海道

東北

関東・甲信越

中部・北陸

近畿

中国

四国

九州

イベント情報

  • 利き酒会について

地酒の用語集

あなたの地酒の知識を増やしましょう

  • 地酒用語集

北の誉酒造株式会社~蔵主紹介

地元・小樽商科大学を卒業
合同酒精生え抜きのスペシャリスト

北の誉酒造株式会社が参画したオエノングループは、統一理念に「自然の恵みを活かし、バイオ技術をベースに、人々に食の楽しさとすこやかな暮らしを提供する」を掲げています。つまり、食品へのこだわりを通 して、社会へ貢献していくことでブランドエクイティを向上していきます。

グループの酒類事業・酵素医療品事業部門には、合同酒精株式会社を筆頭に8つの企業が併設され、北の誉酒造は道産酒としての品質と価値を追求し、その魅力を生活者へ広く普及していくことがミッションです。

この新しい課題のリーダーシップを揮うのが、代表取締役の藤武 哲朗(とうたけ てつろう)社長です。
「今回の参画により、オエノングループの地酒戦略に、また一つ新しいパワーが蓄えられました。何よりも、グループ基盤の合同酒精が北海道にありますし、相乗効果 は高くなると確信しています。双方の母なる大地である北海道を守り立て、元気にしていきたい。私にとりましても、小樽は第二の故郷ですから」
若々しいトップの藤武社長は、昭和33年(1958)佐賀県の出身。遥か北の学び舎である「小樽商科大学」を卒業後、合同酒精株式会社へ入社した生え抜きの業界人です。
北海道と九州一円で営業を長く担当し、事業推進、商品開発、広告宣伝部門も3年ほど経験したスペシャリストで、卓抜した手腕が社長抜擢の理由のようです。

小樽の海のグルメ

関東でも関西でも、“北の誉”と聞いて「小樽のうまい酒!」と即座に答える地酒ツウは、“蝦夷バフンうに”や“しまほっけ”など、小樽ならではの海の幸を想い浮かべては、垂涎するはず。
そんなグルメ食材との楽しみ方を、ますますアピールしていくべきである。北の誉のみずみずしい味わいに感動して頂くためには、地産地消の魅力作りへ注力していかねばならないと、藤武社長は声を高めます。
「道内の清酒ブランドは、長期的な低調に甘んじています。むろん北の誉もご同輩で、減少の一途をたどる気配すらあります。この現象には、二つの理由があると推察しています。

まずは、地元消費の低迷。北海道で消費される清酒の7割強は、道外の商品なのです。これまでは、北海道米の品質が劣ることが要因と言われていましたが、それは、もはや過去の風評だと私は思います。近年登場している北海道産の酒造好適米は、各種の品評会や新酒鑑評会でも好評を得ており、道内の蔵元にとっては、地元米への早急な取り組みが起死回生のチャンスにつながると考えます。そして次には、北海道酒としての本質的な立ち位置へ回帰すること。つまり、北海道の自然、暮らし、恵みとコラボレートする酒の価値観を再発見し、トータルコーディネートすべきです。道産子は昔から本土へ憧れ、酒の嗜好にもそんな傾向があります。しかし、反対に本土の人々が北海道の産物や商品に憧れやロマンを抱いていることは、実感していないのです。ですから、今一度、自分たちの土地の魅力を見つめる機会を作り、いつもそこに北海道酒を提供できれば、きっと道産子の意識は変わると思うのです」

社長ご自慢の、小樽の伏流水

藤武社長のその熱いメッセージは、道産酒ファンの筆者も大いに共感するところです。特に、天狗山からの清冽な水を自慢する笑顔には、小樽をこよなく愛する心が表れていました。
「私が小樽商大に在学していた頃は、どこの飲み屋さんだって、北の誉を置いてたんですよ。だから、私の体のいくつかは、北の誉の酒からできてますよ(笑)。それだけに、現状を改善したいですね」
その言葉には、再び小樽へ戻った喜びとともに、北海道の食文化再生への意気込みが溢れているようでした。

地元のための真心の酒を

今は、全国津々浦々どちらのお蔵元も、品質・技術とも横一線に近いですね。そんな美味しい酒があらゆる都市で飲めるわけですが、やはり、その地元で飲まれてこそ真価を発揮すると思うのです。消費が膨大な東京では、混沌とするほど銘柄が揃っています。しかし、そこでの評価や人気を先行させてしまうのは、果たして、地酒として正しい在り方なのでしょうか。地方酒は、ブームに左右されるテンポラリーな商品ではなく、長い歳月をかけて地元に愛され育まれてきた真心みたいな存在であってしかりでしょう。そこが個性となって、東京や大阪などから途切れなくニーズをもらえることが大事だと思います」

北海道限定北の誉 えんまん


藤武社長は、そのためにはまず、北海道の人たちにとって低価格で良品質の商品を展開しなければならないと指摘します。

つい最近、北の誉では北海道限定のパック酒「北の誉えんまん」を新発売しました。
これは2,000ml / 1,413円(税抜き)、3,000ml / 2,053円(税抜き)が希望小売価格という、リーズナブルな商品。北海道らしい爽やかな口当たりと米の旨味を感じる淡麗中口は、飲み飽きせず、毎日の家庭の晩酌にふさわしいお酒です。
この段階から北海道内でのニーズを喚起し、北の誉ファンを作り、その方々に当社のこだわりの吟醸酒を飲んで頂ければ、これまさに正しい地酒の価値創造と、藤武社長は眦をほころばせます。

北海道産米のおいしさを生かす

藤武社長は、現在、オエノングループの取り組みつつあるバイオエタノールの開発プロジェクトについても、触れてくれました。
通常、バイオエタノールとは、サトウキビやトウモロコシなどのデンプン系バイオマス(生物資源)や、木材・古紙などのセルロース系バイオマスなど、植物に含まれる糖分を発酵・蒸留させて抽出するアルコールです。
サトウキビやトウモロコシなどの植物は成長する過程で空気中の二酸化炭素を取り込み、発酵や燃焼の過程で、その二酸化炭素を放出します。したがって、大気中に二酸化炭素を増やさず、温室効果 ガスの排出量は0とみなされています。

酒造りに、先端の科学を活かす

このプロジェクトは、オエノンが北海道をベースにしたグループで、米を原料にする酒造業を原点にしていたからこそ取り組めるのです。北海道はこれから先、もっと米の取れる地域になるでしょう。技術革新と気候変化によって、最近は、米が美味しくなったとも言われてます。つまり、私たちはバイオエタノールを、北海道の米から作ろうとしているんです。」

北海道を盛り上げ、北海道の酒らしさを大切にすることが道産子に伝わり、純粋な道産酒・小樽の地酒と、市民みんなが誇らしげに「北の誉」を飲む日はそう遠くないはずと、藤武社長は自信をうかがわせます。
北の誉が、まさに北の誉として、再び名声を響かせる酒の味……それは、道産子の誰もが“一杯の酒の幸せ”を実感するような、誠実な味にちがいありません。