

「独酌 三四郎(どくしゃく さんしろう)は、昭和21年の創業。この風変わりな店名の由来は、その当時に流行した映画「姿 三四郎」にあるそうです。創業者の先代主人は「姿 三四郎は柔の六段だが、自分は酒呑みの六段」と豪語し、この名を付けました。
女将の西岡 美子さんはこの屋に嫁いで以来、二十二年かけて全国の蔵元120社を行脚したほどのツワモノ。唎き酒師、酒学講師の資格も持ち、本物の食材に合う本物の日本酒を提供しています。
「本州のお酒は、なぜ土地柄によって違うのか。そんな疑問から蔵めぐりを始めました。酒造りの奥深さ、ひたむきな積み重ねを知りました。以来、北海道の料理とそれに合う日本酒探しが、ずっと私のテーマです」と語る西岡さん。最近登場した道産米“吟風”を使った高砂酒造の大吟醸酒「吟空」こそ、求めていた酒だったと瞳を輝かせます。
地酒は45種類ほどを用意。肴のメニューは煮魚3~5品、焼き魚3~7品、野菜5品、御造り8品をメインに、北海道の新鮮食材をそろえています。
燗酒派の方には、陶器製たんぽを炉辺に置いて温める“焼き燗”がおすすめ。まろやかな味わいが絶品です。
お値段も手ごろで、「安くても、ずっと本物の味をお出しすること。それがこのお店のあり方であり、私の仕事だと思います」と微笑む女将。その後ろでは、作務衣姿のご主人 西岡 あきらさんが炉端を仕切ります。
ご主人直筆の箸袋は、さりげない旅土産にもなることでしょう。