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地酒の用語集

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  • 地酒用語集
「冷たさ」や「涼しさ」を直接に感じるのは、手足や全身の肌の神経です。つまりは、「触覚」から感じ取るのが通 常です。
では、「冷たい味」という表現から、何かのモチーフを連想してみましょう。
まず誰もが、「氷!」と答えるのではないでしょうか。その氷から思い浮かぶのが、Aさんの場合は「BARで飲むロック酒の香り/嗅覚」、Bさんは「イチゴシロップのカキ氷/視覚」などと、人によってさまざま。さらにAさんは「ロック酒のグラスの音/聴覚」、Bさんは「カキ氷を削る音/聴覚」までも連想し、ほっと満足してしまいます。
これは、自分なりの“冷たい味”の満足感を、「味覚」「視覚」「触覚」「聴覚」「嗅覚」という五感の相互関係によって学習し、記憶しているからなのです。ちなみに、感覚の「覚」には「覚える」という意味もあるのです。
これらの五感は人間の持つ生理的な能力で、それぞれの末端器官としては、目・鼻・口・耳など独立していますが、最終的には神経系統によって脳へつながり、人の感性や感情に訴えかけ、思考・行動を起こさせるます。つまりは、冷たさ・涼しさを感じることにも、五感が複雑に影響し合っているわけです。
そこで、この五感の関係を上手に使えば、いつもの冷酒がいっそう美味しくなるはず。そのためには、まず、あなた好みの「冷酒の五感シーン」を見つけることがポイントです。
       
味覚を使って冷酒を楽しむコツは、自分なりの「冷酒が美味しいと感じる温度」を知ることです。
人は体温の差や、汗かき・暑がりなど個々の体質が異なりますから、どれぐらいの冷たさが美味しいのかは一概には決められません。また、冷えすぎた物を摂取すると、アイスクリームやカキ氷を食べた時のように、冷温頭痛を起こすこともあるのです。
広い意味で冷やした日本酒を冷酒と呼びますが、その温度帯は「ロック/1℃前後」「雪冷え/5℃前後」「涼冷え/10℃前後」「花冷え/15℃前後」と4つのタイプに分けることができます。まずはそれぞれの温度帯から、あなた好みの冷酒を見つけることがポイントでしょう。
人の視覚心理における色彩 感覚では、水色が最も涼を感じるクールな色となっています。
次いで空色は清々しさ、黄緑色は爽やかさ、そして無色透明色の清潔さ・瑞々しさの順で、青色・紺色などは寒い色と捉えられているようです。
このポイントに準じて夏らしい酒器選びにこだわってみるのが、まずは視覚のポイントでしょう。
また、風にそよぐ竹林や雨に濡れた若葉は、木々の黄緑色と風・水の透明色を併せ持つことで、涼しさを感じさせるモチーフです。冷酒の膳に枝葉を一輪置くだけでも、涼味アイテムとして役立ちます。
キンキンに冷やした瓶やグラスを手にして飲んだとしても、それが美味しい冷酒になるとは限りません。また、涼味という感覚とも少し異なってきます。
「触る」と言えば手のひらだけの所作のように思いがちですが、ここでの触覚とは全身の肌感覚。つまりは、「涼しさを感じる」=「湿気による蒸し暑さや不快感を取り除く」=「冷たい酒が、より美味しくなる」ということなのです。
例えば、部屋の敷物をいぐさの花ゴザに変えることで、爽やかな一杯となるはず。パリッと糊のきいた浴衣や甚平をはおり、団扇をあおぎつつ冷酒を飲むのも風流ですね。
「聴覚」では、水のせせらぎが最も涼しさを感じる要素でしょう。
京都・貴船の「川床料理」は夏の風物詩として有名ですが、川の音には癒し効果 もあるそうです。
また、庭先の雨だれの音などは、しっとりとした風景とともに冷酒を美味しくします。
これらの有機的な聴覚シーンはなかなか都会の家庭では望めませんが、まずはベランダや窓際に風鈴を吊るしてみてください。できるだけ素朴でノスタルジックな素材・形のものが、オススメです。
そして、せせらぎや雨だれには、ヒーリング系のオーディオCDを用意しましょう。
料亭や料理旅館の座敷に上がると、ふと、さりげなく漂う香り。その匂いは、清々しい畳の風合いとともに夏の暑さを忘れさせてくれます。
そんな上品な香を、家庭でも少しの時間だけ焚いてみましょう。冷酒の香りや味わいを妨げず、食欲もそそってくれるのです。
また、手軽でいいと女性に人気なのが、ほのかに匂うポプリ。
部屋に香りをつけるのではなく、普段の匂いを消臭・除香するような、微香性のポプリをブレンドしてもらうのがベストでしょう。
※参考文献 ・中公新書ラクレ/「五感力」を育てる・リトルモア出版/五感の友・朝日新聞社/HAPTIC 五感の覚醒