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宗政酒造株式会社 ~蔵主紹介

「10歳の時、父が酒蔵を始めると佐賀に来ましたが、私自身はあまり実感がありませんでした。
大学で東京に出て、就職も普通のサラリーマンとして働いていました。
ただ、30代に差し掛かるころ、やはり普通のサラリーマンでは何かが違うなと思い始めたんです。
僕の場合、実家が蔵元ということもあり、幼いころからモノ造りというものが身近にあったからでしょうね、 『自分で何かを造っていきたい』そういう思いが強く、実家の酒蔵を継ぐことを決意しました。」

精悍な顔つきで語ってくださる二代目蔵元の宗政 寛社長は今年35歳。

新しい酒造りを目指し入社したものの、何もかも勝手が違う酒造りの世界にわからないことだらけであった。
「入社当初はまったく違う業界からの転進だったので戸惑いました。ただ、とても深くておもしろい世界であることも感じましたね。酒の甘い辛いだけでもぜんぜん違いますから。」

酒造りを学ぶ一方で、まず社長が取り組んだのは”ラベルの統一”。
「入社当時は”宗政”でも純米酒・原酒・吟醸酒・普通酒など造りごとに、”むねまさ”であったり”宗政”であったり、それぞれ字体が違ったりとラベルがまちまちでした。これでは消費者の方々にもわかりづらいし、なによりお酒がたちませんよね。」
なるほど、ラベルに統一感が出ることで”宗政”というブランドイメージがより伝わりやすくしたというわけだ。

「酒造りに関しては、まだまだわからないことがたくさんあります。造りについて、品質管理について、流通についてなど学ぶ一方で、新しいタイプの酒造りを開発するために、私も含め30代の社員を中心に話し合っていくことで、よい方向へと進んでいければと思っています。」
”話”しあっていくことで酒造りの”輪”をつくり、”和”の方向へと進んでいくこと、そんな宗政酒造の酒造りの原点が見えた。

それでは、宗政酒造の理念について具体的にお話を伺いましょう。

「当社の理念を一言で表すと『和醸良酒』。農業と人と心の和が良い酒を醸すということです。
当社では酒造りは農業の一環として考えております。地元産の原料にこだわるだけではなく、新品種の育成や契約栽培などにより生産者との結びつきを強めて、地域農業に貢献することを最優先にしています。
その為には、一人ひとりの農家さん、一人ひとりの消費者との対話を大切にすることだと思うんです。」

なるほど、造り手との対”話”・農家の方との対”話”・消費者との対”話”で酒造りの”輪”が広がるというわけだ。

「佐賀県は全国でも有数の農業大国です。棚田米をはじめ、お茶やたまねぎ、大豆、麦、各種フルーツなどさまざまな農作物が収穫できます。これらの作物には『一生懸命考え研究する人』『一生懸命土を耕し育てる人』『一生懸命普及に努める人』とさまざまな人々が繋がってきます。我々はこれら佐賀県産の作物を『一生懸命酒にする人』なんです。これこそまさに”佐賀の酒”ですよね。」

こう語る宗政社長。大手メーカーの量や価格攻勢に対して、地元・佐賀の個性を生かした酒で勝負していく、そんな思いが伝わってくる。

「また、蔵に隣接する有田ポーセリングパークでは酒造りの工程を”観光”し、併設の和・洋食レストランや直売店で食事や買い物を楽しんでもらうことができます。さらに同パークにて『酒器としての磁器』を提案することにより、いっそう酒というものが楽しめる施設になっています。」
佐賀の農作物から醸される酒と、もうひとつの佐賀の産物『磁器』を交えた、まさに『佐賀んテーマパーク』だ。

農家・蔵元・消費者との対話による”酒造りの話(わ)”、佐賀の農作物・佐賀の酒・佐賀の磁器による”佐賀の輪(わ)”これらが融合してみなが和やかになる、これが宗政酒造が掲げる”和”であると感じた。

昨今、日本酒消費量は低迷し、若者といわず中年層をも含む日本酒離れが叫ばれていますが、最後に宗政社長にこの辺についてどのようにお考えか、お話を伺いました。

「今は清酒の本質が消費者の方々に伝わっていないのではないかと思います。昔はそれぞれの土地に蔵があり、その土地の味というものにあったお酒を呑んでいたはずです。現在は、食も酒も多様化してはいますが、その土地の味というもの根本は変わってはいないのです。土地の味にあった酒を呑むのが一番おいしい、それは土地とともに歩んできた地酒を呑むことに繋がるのです。この本質の部分が今の日本では薄れてしまっているように感じます。たとえば九州・佐賀では甘口の酒をもっと造っていきたいですね。純米吟醸だけど-15度なんて面白いですよね。」
「また、その一方で、お酒に慣れない方へのアプローチも大切です。微発泡性の酒やリンゴ酸を加えた飲みやすい酒などを提供し、酒への抵抗感を無くしてもらう。こういった努力もして行かなければなりません。」

地元には地元の味を、それぞれの地方にはそれぞれの地方にあった味の酒を、酒に慣れない人には飲みやすいお酒を、これらの多様化するニーズに答えていくこと、それは原料の生産者から消費者まで、そこに関わるすべての人と人とのつながりを大切にした酒造りをしていくこと。
そんな思いで造られる和の雫に惚れ惚れとしてしまうのは筆者だけではないでしょう。