古澤酒造資料館
古澤酒造資料館には、蔵元の歴史を語る貴重なコレクションが展示されている。
このスペースは、大正6年(1917)に建築された仕込み蔵を改修し、昭和58年(1983)から無料で一般公開している。
三代目・古澤 徳治の開発した「澤式精米機」や巨大な木桶、甕のほか、珍品の酒道具など出羽の酒造りの憧憬にあふれた空間は、多くの日本酒ファンを魅了している。
また、蔵出しの酒を試飲・販売するコーナーも常設しており、観光客に好評となっている。
2000リットルの大甕
大正5年(1916)陶磁器メーカーの高山耕山によって作られた、2000リットル入りの大甕。
高山耕山は、明治10年(1877)に京都の陶芸家が起こした企業で、近代技術を駆使して陶磁器を製造・普及させ、現在も操業している。
古澤酒造では、新酒の品質を安定させるために、この甕を冷たい土中に埋めて保存・熟成させた。
日本初の東芝製冷蔵庫
こちらも昭和5年(1916)に、日本で始めて製造・発売された東芝製の冷蔵庫。
三代目の徳治が酵母を保存するために、大枚740円で購入した。当時の家一軒に相当する金額である。
上部の巨大なサーモスタットが、レトロな昭和時代と近代科学の幕開けを髣髴とさせる。
縦型 澤式精米機
三代目・徳治が開発した傑作「澤式精米機」。
旧来の横型精米機に比べ磨き歩合が飛躍的に向上し、これを十数台使用することによって、幾多の賞賛を受ける美酒を醸した。
現在の精米機の臼に比べるとサイズは3割ほどの大きさだが、当時としては驚異の大発明だった。