TOP > 蔵元紀行 > 新潟銘醸 > 水・技・米の紹介

会員サイト

入会特典

・「いい酒のめーる」の購読
・唎酒会やイベントへのご案内
・検定やサイト機能の利用
・マナベル度の獲得

会員登録

すでに会員の方はこちら

ログイン

蔵元紀行

北海道

東北

関東・甲信越

中部・北陸

近畿

中国

四国

九州

地酒の用語集

あなたの地酒の知識を増やしましょう

  • 地酒用語集

みんなで作る地酒情報

お奨めの地酒や肴・お店をみんなに教えてあげよう!

  • 地酒ぐるめ大百科
地酒蔵元会利酒会 イベントの様子はこちら
地酒川柳募集キャンペーン
地酒川柳優秀作品アーカイブ
地酒蔵元会公式チャンネル
“男前女子”のニュー旅スタイル 飲み旅本。

新潟銘醸株式会社 ~水・米・技の紹介

「色あがり」の良い天然水を使い、「コメの抽出」の勘どころを見抜く

「長者盛」の両輪である二人

建築に設計部門と施工部門があるように、酒造りにもグランドデザインを描く人と、実際に酒を造る人がいます。
新潟銘醸においては、山下 進 常務取締役が前者を、細川 忠清 杜氏が後者を担当していますが、これは吉澤 社長が提唱してきた品質システムにのっとった役割です。
伝統ある酒造りの中には、学問的に無益なことや無駄なこともあるはず。そうした点を改良しながら、でも、やはり酒造りにはその道のプロがどうしても必要という吉澤流の酒造りが反映されているわけです。
いわば、2つの車輪が1対に機能してこそ、初めて新潟銘醸の目指す酒造りが実現するということのようです。ちなみに、山下 室長は新潟県酒造組合の技術委員長の要職にあり、また、細川 杜氏も「越後 杜氏に、細川あり」と称賛される名匠です。

雪解けの伏流水で仕込む

さて、その新潟銘醸の酒造りですが、単刀直入にその根幹をなすものは何かと訊ねてみました。
「なんといっても、水です。水が美味しい日本酒を造る最大の条件です」と、躊躇なく細川 杜氏は言い切ります。
それほど大切な水と、しかし新潟銘醸は、いろいろ悪戦苦闘の末、ヒョンなことから出合うことになったといいます。
昭和58年(1983)同社は「関東信越国税局酒類鑑評会」で最優秀賞を受賞しますが、そのきっかけをもたらしたのが、実は、泳ぐ宝石・錦鯉の飼育でした。小千谷市は全国的に有名な錦鯉の原産地で、同社の社員の実家にも、錦鯉の飼育家がいました。

おだやかに発酵する

当時、先代の 横山 杜氏は、あっちの水、こっちの水と、仕込み水の選定に試行錯誤を繰り返していたのですが、そんなある日、その社員から「我が家の水は鯉の色上がりが良いと、専門家たちに評判なんです。一度、試してみませんか」と声がかかります。
水質を調べると、確かに酒造りに良さそうな水。早速、その上流に井戸を掘り、仕込み水として使ってみたところ、なんと関信局管内で1位を受賞する酒が誕生したのでした。
その水は、上越の高い山々を水源とする伏流水です。有機物が少なく、無色無臭でミネラルの少ない軟水であり、酵母の発酵を促進す成分が適度に含まれています。
仕込み水に用いるとモロミがおだやかに発酵し、淡麗な酒質となり、柔らかくなめらかな酒に仕上がるのです。

次に、原料処理も含めた米のこだわりについて、訊いてみましょう。
新潟銘醸では、主に越後の代表酒米・五百万石を使っていますが、この米は粘りがなく、吸水性に富み、粒が大きく、心白のある米で、同社では地元農家との契約栽培による特別製の酒米を使用しています。
また最新式の精米プラントの導入により、いっそう丁寧に磨きあげることができ(平均精米歩合58.3%)、名だたる「長者盛」を生みだしたというわけです。
「長者盛は、ただキレイな酒というのではダメなのです。淡麗辛口のよりも、ほど良い旨さがプラスされる必要があります」と山下 常務は強調します。
新潟の酒がおしなべて“淡麗”と評される中にあって、軽快さ、まろやかさ、ふくらみ、なめらかさといった要素を長者盛は追求しています。
そのため、例えばこんな技術を駆使すると、細川 杜氏は語ります。

「美味しさを引き出すには、米を選ぶ、精米を考える、といろいろありますが、それを抽出する作業も見逃せません。いま、仮に玄米を100として、それが酒になった段階で酒粕が30残ったとします。それで淡麗辛口の酒が誕生するとして、その酒粕を28にする努力で旨みが乗るんです。単純に言えば、それが美味しさにつながる秘密でしょうか」
分かりやすく簡略化された説明ですが、美味しさのキーワードは“米の旨味の抽出”にありそうです。
その抽出の勘どころを押さえている細川 杜氏だからこそ、名杜氏としての評価が高いのでしょう。

小千谷の雪が必要

そして、豪雪で名高い越後の雪も、酒づくりには欠かせないと二人は口を揃えます。
麹や酵母などの微生物を上手に育てる必要のある酒造りにとって、雪がエアクリーナの役割を果たしてくれるからです。
雪は舞い落ちるとき、大気中のゴミやホコリを抱きかかえるようにして地上へと落下します。こうしてきれいになった空気が、蒸米の冷却などにも、清浄な風となって蔵の中に送り込まれていくのです。

「近年の新潟は、暖冬のせいで雪が少なくなりましたが、ありがたいことに中越の小千谷や長岡は、まだ多く降ります。昔から、“美酒は寒造り”と言われます。冬の小千谷はその寒造りにふさわしい名所ですから、当社の酒が好評を頂けるわけです」
水も空気も澄み切った小千谷での酒造り。そして、その清涼な町に暮らす杜氏や蔵人もまた、清らかな心を持つがゆえに、長者盛の上質の味わいが誕生するのでしょう。