
良き伝統を継承し、後世に引き継ぐ酒造りを目指す。
● 蔵の特色
原料は北海道産米で60%を占めており、吟醸・特定名称酒は、増毛町の農家で生産された酒造好適米の吟風、彗星、きたしずくを使用しており地元産にこだわった酒造りを行っております。そのほか山田錦、五百万石の酒造好適米も使用しております。仕込み時期は10月~3月迄、全体平均の精米歩合は58%、製造数量は3000石で仕込みタンクは37本、その7割は食中向けの普通酒で、ほとんどが道内で消費されております。
これまでの酒造りは南部杜氏によりおこなってきましたが今酒造年度からは、社員・地元の農家の方を中心に総勢15名体制で醸造を行っております。

● 「地酒」にこだわり安定した酒造りを目指す
増毛町には酒造好適米栽培に取り組む農家があります。国稀酒造はこの5件の農家と提携して、地元の米で造る本当の地酒造りに取り組んでおります。
現在、地元農家で生産された吟風、彗星、初しずくはほぼ全量当社で使用しております。特に農家の方は低タンパク米の生産に力を入れており、これまでの鑑評会においても金賞受賞(北海道の鑑評会)するなど高い評価を得ております。




● 食中向けの酒造りが基本
仕込みの7割は食中酒で「飲み飽きしない、料理との相性がよい」を意識した酒造りを行っております。国稀の個性は、仕込水にあります。増毛山地の主峰で日本二百名山の暑寒別岳からの雪解け水が地下水となり、その水でお酒を仕込んでおります。水質はアメリカ硬度で18~20の軟水。暑寒別岳の軟水はゆるやかできめ細かい醗酵を促すので、低温を維持し、時間をかける仕込みに腐心しております。


● 「今後の酒造り」
これまで長年酒造りを支えてきた季節杜氏中心の酒造りから、社員杜氏と地元の蔵人を中心とした酒造りを行っていく方向で進めており、今後は創業から140年を超える歴史と伝統を守りながら、技術をどのように伝承していくのか、当社の酒造りは新たな転換期を迎えております。
今後酒造りを後世に引き継いだことを考えたとき、「この人がいなければ酒が造れない」というわけにはいきません。これまで杜氏の経験と勘(五感)に頼ってきた部分を可能な限り標準化し、時代の変化に合わせて酒造りを継続してけるようにチャレンジしていきたいと考えております。


